婚活というワードがすっかり市民権を得た今、本屋に行けば迷える女子たちへ向けた婚活必勝本的な書籍が山のように棚に並んでいる。
愛される私になるルール、思い通りに恋愛するコツ、男を虜にする方法、かわいい女になる方法…どれも魅力的なテーマである。かつての私も、何度もその本棚の前でウロチョロしていた。そして買った。
愛されたいというのは人間共通の願いだろう。愛され…まで言うだけでKinKi Kidsド真ん中世代の私にとっては、愛されるよりも…と彼らの2ndシングルが必ず流れてしまうわけなのだが、それはそれ。
私も、こう…理想の男性から無条件に愛されて愛されてしょうがないみたいな生活を夢見ていた。自分が愛するよりも愛されることこそが重要だと、刷り込まれていたかもしれない。
実際多くの女性にとって、それは正解だろう。
でも私は、どうしてもしっくりこないものを感じていた。何冊本を読んでも、愛され女子になるためのルールやら法則やらハウツーが、どうにもこうにも自分で再現できる気がしないのだ。
婚活系書籍には、愛されろ愛されろ愛されろ…と呪いのように書かれている。じゃあ果たして、自ら愛する女子は幸せではないのだろうか?愛されガールになれない私は女として幸せを手にするチャンスを得られないのか?
夜な夜な枕を濡らしながら婚活していた私が、前向きになれた1冊の本がある。
それが佐藤律子さん著「7日間で運命の人に出会う!頭脳は女子の婚活力」だ。
この本は、どうにもモテ系になれない女子たちを「頭脳派」と定義づけ、分析し、恋愛上手…にはなれないけれど大事な人だけ見つければいいのだ!導いてくれるものだ。
特に私は、本書のなかで「恋愛しないで結婚すればいい」と言い切られたところで、「そうだそうだ!!!」と心の中で拍手喝采をした。
婚活なんだから、恋愛しなくてもいいじゃないか。恋できる人よりも一緒にいて違和感のない人のほうを探そう。好きなところがたくさんある人じゃなくて、嫌いなところが少ない人を選びたいと思っていた自分の考えが肯定された気がしたのだ。
今、結婚してみて「出会い~お付き合い」の時期を振り返ると、「私は夫のことを大して好きじゃなかったし、たぶん夫も私のこと大して好きじゃなかったな」と思う。そう言ってしまうとなんだか寂しいように聞こえるかもしれないが、夫もまた恋愛なしで「人生のパートナー」を探していたのだろう。
そして「なんだかこの人とならいけそうな気がするぜ!!」という直感で、結婚を決めた。
笑っちゃうくらい根拠のない決意ではあったが、おかげさまで結婚してからのほうが私たちは仲が良いし、毎日楽しく生活できている。お互いがお互いのことを、ちゃんと好きでいられている実感がある。下手に恋愛モードを追い求めなくてよかったと心底そう思う。
結局のところ、婚活系書籍に己の正解は乗っていない。それぞれのモチベーションやスタンスが、ポテンシャルが違うのだから絶対にこの通りにすべき!というものはないのだ。
それでも考え方の参考として、読んで損はないとも思う。共感できなくてもその考え方や行動方法を知っていることが大事だと思う。読んで、考えて、諦めたり実行したり。
結局トライ&エラーでしか最適解は得られない。
色々なトライを生み出すためのインプットとして、気持ちが行き詰った時には本に頼るのもアリだよ。くらいの軽やかさで、皆さんには婚活を乗り切ってほしいとそう思う。
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